セル、パック、ケース、安全性

自動車業界が、電動化へと移行するにあたっては、当然課題があるものの、サステナビリティの取組や機会に、大きなメリットをもたらします。Sikaでは、100年以上の歴史の中で培ってきた経験とイノベーションを活かし、新エネルギーを使用する自動車向けに、幅広い製品群の接着とシーリングのソリューションを、世界中の市場へ提供しております。新たな電動パワートレインにおける課題は、Sikaの専門知識によって容易に解決することが可能であり、組立てに使用する材料の用途、被着体、要求事項に対応した技術により、車両性能と組立技術に付加価値を与えています。Sikaのソリューションは、さまざまな部品に対応可能なだけではなく、高耐熱・耐寒性バッテリーパックやスレッド組付けなど、特殊な組立や機能のニーズにも対応しております。

Electric Vehicle Battery pack bonding with thermal-conductivity and electrical isolation

モジュール配列 - ヒート・マネージメントと機械的性能の向上

Sikaの高性能な接着ソリューションは、モジュール配列内のバッテリーセルをパッキングするために、熱伝導性と電気的絶縁性能を有する製品を提供可能です。 2成分形ポリウレタン系接着剤であるSikaForce®-32X TCシリーズは、セルとモジュールの冷却板間の熱伝達性を強化しつつ、モジュール配列の剛性を高め、且つ軽量化する目的で使用されます。また、0.8-2.0 W/m.Kの熱伝導性能を有するだけではなく、金属表面の下地処理を行わなくとも、優れた接着性により、高強度が得られます。  すべての製品がUL94-V0規格に準拠しており、自動・手動のどちらでも塗布が可能です。

Electric Vehicle Battery pack housing sealing and bonding

バッテリーパックケースの構造

Sikaは、バッテリーパックのハウジングの組立てにおいて、基本的なシーリングや接着の用途から、高度な要求の用途まで、これまでの経験を生かし、最も幅広い製品群を提供しております。耐熱性と耐グリコール性に優れ、金属、プラスチック、複合材料への接着など、多様な用途の課題を克服する、新しい接着剤の開発に意欲的に取り組んでいます。室温下での組立工程において、異種材料を接合する時に発生する、一定の熱膨張差についても解決することが可能です。1成分・2成分形、ブースター技術を用いたポリウレタン系、シリコーン、STP(シラン末端ポリマー)、MMA、エポキシ系、ハイブリッドタイプ、ホットメルト、感圧型粘着材(PSA)など、さまざまな製品を世界中で供給しております。すべての製品において、同種材・異種材の接着が可能であり、各ユーザーの製造工程で、柔軟な対応が可能となります。

Electric Vehicle Battery safety fire protection intumescent coating
電気自動車バッテリー向け:耐火ソリューション

電気自動車のバッテリーケースに用いられる、Sikagard®の防火コーティング技術は、業界の標準となっております。Sikagard®を使用することにより、最高レベルの防火安全性を得られるだけではなく、自動車市場において、効率的に安全なバッテリーを提供することが可能となります。

安全性へのニーズに対応

耐火製品である、Sikaflex®FRシリーズ、Sikasil®FRシリーズ、Sikagard®シリーズは、バッテリーセル、モジュール配列、さらにはモジュール全体に不具合が生じた場合に、延焼を防止するために使用されます。  FRシリーズの製品は、火煙の延焼に関する規格に、完全に適合するようにテストされており、バッテリーモジュール全体の組立てや接着・シーリング用途に使用します。さらに、Sikagard®の発泡性コーティング製品は、熱によって体積が膨張(発泡)し、延焼を防止・遅延するとともに、密度は低下します。これにより、バッテリーが、致命的な故障をした場合に、運転者や同乗者が脱出に使用する時間を長く確保することを可能にします。これらの製品は、機能的な表面処理剤として、一般的な塗布設備を用いて、容易に塗布することが可能です。

Electric Vehicle Battery array thermal conductive gap filling
Electric Vehicle Battery Lid Sealing

さまざまな用途に対応

SikaBiresin®TC-4XXシリーズは、シリコーン系および、シリコンフリータイプの、熱伝導性のギャップフィラーです。バッテリー配列への機能的インターフェイスとして機能し、バッテリーパックに搭載された温度制御システムと連携して、熱伝導(冷却と加熱)に影響を及ぼします。  性能レベルは、3.0 W/m.Kまでです。耐グリコール性があり、UL94-V0規格に適合しており、室温で硬化します。  ご要望に応じ、硬化工程の調整が可能であり、標準的な組立工程に付加価値がもたらされます。さらに、低圧縮力と低粘度であるため、組立てが容易でありながら、適度な接着強度を有しているため、分解と保守も可能です。

バッテリーパックの封止は、バッテリーのふたのシーリングとも呼称されており、Sikaが得意とする分野です。  数年前からすでに、1成分形ポリウレタン・ブースター技術で市場に参入しておりますが、現在では、SikaLastomer®シリーズで、非反応型のブチル系シーリング材を提供しており、メンテナンス作業の簡素化に貢献しています。  Sikaの製品は、セルからモジュール配列、ケース、フルドライブモジュールに至るまで、バッテリーの組立て全体に対応しております。これらのソリューションによって、ユーザーの革新的な設計と組立の課題にお応えします。