SikaPower®による耐衝突性の向上

耐衝突性構造用接着剤 SikaPower® は、乗員の安全性を高め、車両の剛性を改善し、スポット溶接点の減少によるコストを削減し、製造工程を簡素化します。また、異種材料(金属/アルミニウム/プラスチック)の接着を可能にし、長期的な自動車の耐久性を向上させます。

SikaPower® は、エポキシ材料技術に基づく熱硬化型製品で、強靭性、柔軟性、伸び、機械的強度などの特性と、さまざまな防錆加工鋼板およびアルミへの優れた接着性を備えています。SikaPower® は、衝突・構造接着、ヘムフランジ、シーリングおよびフラッター防止の用途に使用できます。

二酸化炭素排出量の削減

実際の事例を分析すると、SikaPower®は、車両の軽量化や車両生産に必要な溶接点数の削減(およびそれに対応するコストとエネルギー入力)に貢献するという利点が判明しました。

軽量化により、燃費が向上し、自動車の使用段階での燃料消費量が低下します。使用されたSikaPower®の量および溶接と接着工程でのCO2排出量が計算されました。一般的な車両寿命(約150,000 km)で、燃料消費量の低減によりCO2排出量が削減されることも示されました。

結果と結論

SikaPower®を使用した利点を明らかにするためカーモデルを用いて二つの異なる条件設定で分析を行いました。一つは従来の接着剤を使用した車体構造、もう一つは耐衝撃性のある構造用接着剤SikaPower®を用いて溶接箇所を減らし鋼板を薄くして最適化した車体構造です。

どちらの車両も剛性と耐衝突性のスペックを満たしていましたが、耐衝撃性のある SikaPower®を使用することで、溶接点が1,000箇所、重量が30 kg削減されました。

地球温暖化係数(GWP)

地球温暖化係数(GWP)は、大気の熱放射吸収を増加させて地球表面の温度を上昇させる CO₂ などの温室効果ガスの排出に焦点を当てて、気候変動の潜在的な影響を測定する指標です。

設定2では、組立て工程のGWPが小さいだけでなく、使用段階で得られた軽量化による効果が明らかにされました。SikaPower®を使用した場合は、車両1台あたり330 kgのCO₂ 削減になります。