今後、都市部での自家用車の移動は、脱炭素化、カーシェアリング、インテリジェントネットワーク化が特徴になると考えられます。つまり、より多くの電動化された部品を搭載した、軽量で快適な自動車が必要になると思われます。構造用や熱伝導性を有する接着剤、車体構造の制振・静音・補強材の製品で、このトレンドの推進に貢献しています。
2018年だけで、バッテリー駆動電気自動車の世界販売台数がこれだけ増加しました。Sika製品の売上は、既存の内燃機関自動車向け製品よりも、電気自動車向け方が+20% 向上する見込みです。
車体重量が10%減少すると、内燃機関自動車が消費する燃料は、これだけ削減されます。Sika製品を使用することで、車体の軽量化が可能となります。
車体を軽量材料で構成できれば、これだけの軽量化が達成可能です。軽量な材料の接着には、SikaPower®などの構造用接着剤が幅広く使用されています。
軽量構造
SikaPower®を体系的に使用することで、内燃機関を搭載した自動車が排出するCO2を、年間150kg削減可能です。この構造接着技術は、異種材料を用いた設計の鍵であり、車体重量を体系的に削減するためのアプローチでもあります。さらに、接着剤には、他にも利点があります。車体の剛性を高め、車両の安全性を向上させます。耐腐食性や耐用年数も向上します。Sikaは、製品の性能特性を、OEMの工程要件に合わせることで、生産の効率化を支援する接着剤を上市し、このトレンドを推進しています。
電装化(EV化)
電気自動車、安全システム、あるいは自動運転車の普及に伴い、新たなソリューションの需要が生まれています。これは、電動化システムが発熱し、過熱や火災などのリスクを生み出すからです。Sikaは、アドバンスト・レジンズ(高性能樹脂)部門の設立と拡大により、この分野における事業をさらに強化しています。また、電気システムの封止と絶縁に用いる、熱伝導性接着剤や材料を提供しています。これにより、安全で、長寿命で、燃費の良い自動車の開発を可能にしています。
制振・吸音
構造伝播対策のスペシャリストである、SikaとFaist ChemTec社が強力なタッグを組むことで、車両の静粛性と制振性を向上させています。これらの軽量な多層構造の製品で業界をリードし、OEMが車内の快適性を損なうことなく、より軽量で、CO2排出量の少ない自動車を製造することが可能になります。新たに獲得した技術は、Sikaの既存の空気伝播音を軽減する製品群に加えて、構造伝播音に対するソリューションも提供できるようになりました。Sikaは、自動車の構造用の制振・吸音ソリューションにおける、テクノロジー・エキスパートでもあります。
Sikaの力強い成長
車体に使用されるSika製品は増加を続けています。Sikaは自動車市場において、成長し続けています。
2500万台
毎年全世界で生産される9,500万台の自動車の内、これだけの自動車でSikaflex®が使用されています。ダイレクトグレージング、複合材、内装トリムに、プライマーレスの高性能接着剤が使用されています。
21%
過去5年間におけるSikaPower®製品群の売上の年間平均成長率です。今後の見通しは良好です。CAR Research社の調査によると、接着剤は2030年までに、自動車製造における推奨される接合技術として溶接に取って代わるものと推定されています。